オスロ市内を歩いていると平日にも関わらずベビーカーを押して歩いていたり、スーパーで子供をあやしながら買い物をしている男性をよく見かけます。彼れらは決して職がないわけでなく、育児休暇取得者なのです。
ノルウェーでは国の大きな方針として男女差別をなくすことに力を注いでいます。例えば雇用における男女平等はかなり高いレベルで実現されており、ノルウェーの国会議員の約半数は女性で構成されています。
また、産休明けで戻ってきた女性労働者の方のキャリアステップに支障がないように配慮したり、子育てを終えた女性の採用においても差別することが禁じられています。
そして一番印象的なシステムが育児休暇における父親の役割です。ノルウェーに限らず北欧諸国では父親が法律で定められた期間、仕事を休んで育児に専念しなければなりません。その代り、休暇期間中、所得の90%以上が保証されているため、資金面で心配をする必要がありません。
これが何を意味するのかというと、子育ては母親の役目というステレオタイプを取り払って子育てを父親と母親の両方で協力し合って行うように促すことで、結果的に女性の社会進出を促すものであります。
こういった背景もあってノルウェーはHDI(人間開発指数)、GEM(ジェンダーエンパワーメント指数)、GGI(ジェンダーギャップ指数)などの指標で調査対象国でトップクラスであります。
一方日本でも男性の育児休暇取得制度は存在しますが、日本の現行制度では所得の保証が30%~50%で十分に保障されておらず、さらに育児休暇を取得した場合、暗黙の掟としてその後の昇進に影響が出てしまうことが多いのです。また日本の家族の在り方として、夫が稼ぎ、妻は家を守るといった形がまだ残っているために男性の育児休暇取得が進まないのが現状です。
昨今日本では北欧の福祉モデルを見習うべきだと述べる政治家もいますが、一方は完全な資本主義国家、もう一方は強固な社会民主主義国家でそもそもの政府の負担の大きさが違うので、現行で借金まみれの日本が仮に北欧の福祉を取り入れた場合、政府の財政は完全に破たんしてしまうでしょう。
日本が真の意味でジェンダー平等を達成し、結果として数字に反映されていくには法律で現状はびこっている潜在的な差別を禁じ、男女が手を取り合っていけるような環境を整えることが先決であると私は考えます。
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